サーマクールは、ハンドピースから対極板まで30〜50cm以上もながれるのに、皮下3.0〜4.0mmが主な作用部位というのはどうしてですか?
非常に良い質問です。電気は、プラスからマイナスに均一に流れるだけであり、特別な作用部位などあるはずはありません。例えば、海水にプラス電極とマイナス電極をいれて電流を流しても、特別に一方の電極の3.0〜4.0mm先に熱が発生するということはありません。それでは、なぜ人体においては作用部位が発生するのでしょうか?それは、人体が
電気の伝導性において、均一ではないからです。特に、「皮下に存在する熱い脂肪層が絶縁体として働く」ことが大きな要因となります。ハンドピースから出た電気は、表皮、真皮をらくらく通過し、皮下組織に達します。ところがこの部位においては、脂肪が絶縁体として作用するため、電気の通り道がごく限られてしまうのです。この小さな電気の通り道が、脂肪組織間を分割する
繊維性隔壁なのです。この僅かな通り道に電気が殺到するので、大変な熱を発します。その結果、この部位のコラーゲン繊維に非可逆性の変性がおこります。その後、その変性したコラーゲン繊維の吸収と再構築が始まります。この炎症、治癒の過程で、瘢痕性収縮がおこり、その結果、たるみが改善されるのです。この
繊維隔壁には、脂肪を養う血管も多く走っております。一部は、この血管も閉鎖されるので、これによって栄養される脂肪組織自体も変性を起こります。この結果、かなり
長期にわたる変性脂肪組織の吸収がおこることも示唆されております。ここで非常に重要なことが自明となります。それは、サーマクールの作用部位は、脂肪組織の深さによって大きく違うということです。例えば、目の下、頬骨付近では非常に浅く、腹部やお尻では非常に深いということです。サーマクールの効果が、場所によってかなり違うのは、個人差というよりもこの脂肪層の深さに大きく関係しているようです。
参考文献繊維性隔壁の選択的加熱:モノポーラ方式による容量結合型高周波システムの付加的な作用機序。Karl Pope, Mitch Levinson, E.Vic Ross, MD Thermage, Inc.2/2005
要約現在、Thermage、ThermaCoolのモノポーラ方式による容量結合型高周波システムは組織の引き締め及び輪郭補正を目的として医師に利用されている。数多くの研究が施行され、組織内のRFエネルギーの分布が理解されている。皮膚コラーゲン原繊維の即時的及び長期的な形態の変化が明らかにされ、皮膚の張りおよび皺の除去に認められる効果の中心的役割を果たすと考えられている。真皮は肌をタイトニングするにあたり重要な構成要素であるが、臨床的に認められる構造的変化および輪郭の変化は真皮への作用のみでは簡単に説明できない場合もある。現在、エビデンスが明らかにされており、ここに提示して、このユニークな輪郭変化の臨床効果所見が、モノポーラRFエネルギーの選択的繊維性隔壁加熱に起因すると考えられることを立証する。この作用機序を裏付けするために、ヒト死体組織のメマトキシリンエオジン染色による検査、数学的解析、コンピュータによるモデル化、動物実験及び治療効果が立証された臨床的組織所見を提示する。
サーマクールの作用部位:サーマクールのハンドピースから深部へ向って高周波が流れている様子を示しております。ハンドピースと直接接触する表皮は、コンタクト冷却されており、火傷をしないように低い温度に保たれております。脂肪は絶縁体なので、電気は脂肪組織を走る細い繊維性隔壁に殺到して流れていきます。そのため、この部位が選択的に熱せられ、変性と収縮がおこるのです。