目次 1.はじめに 2.実験 3.結果と考察 4.結論

X.B. ZHAO, J.E. FRASER, C. ALEXANDER, C. LOCKETT, B.L. WHITE
Vitrolire UK Ltd., Heriot Watt Research Park, Edinburgh EH 14 4AP, UK

 ヒアルロナン(ヒアルロン酸)は、バイオマテリアルとして医学の分野において大きな可能性を持っている。だがヒアルロナンはそのままでは、体内で遊離基やヒアルロニダーゼといった酵素によって急速に代謝され、溶解性も高い。そこで、ヒアルロナンの生体適合性は保ったままで、物理化学的特性だけを変えることにより、治療適用領域を広めようとするさまざまは方法が採られてきた。
 ヒアルロナンは、自己架橋する際、または他のポリマーと架橋する際に、4つの反応基(アセトアミド、カルボキシル、ヒドロキシル、還元末端位)を持つ。さまざまな架橋剤を用いて、研究者達が体内滞留時間の長い架橋ヒアルロナン誘導体を数多く開発してきた。このような化学的修飾により、術後の癒着防止、創傷治療、皮膚拡張などに適用することができるゲルやフィルムの生成が可能になる。
 すでに分かっていることは、ヒアルロナンがそれ自身または他のポリマー(合成物または生体高分子)と2段階で架橋した場合には、高度の架橋が得られ、生体安定性が改善される。その2つの段階それぞれにおいて、同一の架橋剤が使用されるが、反応条件を変えることで異なる官能基と結合される。そしてその新しいプロセスを調整して、より広い物理化学的特性を持ち、ヒアルロニダーゼや遊離基による分解に対してより大きな抵抗力を持つ不水溶性のゲルやフィルムを生成することができる。

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1. はじめに
2. 実験
  2-1 架橋HAの合成
  2-2 架橋PVA/HA(CPH)の合成
  2-3 架橋HA-アルギン酸塩フィルムの合成
  2-4 架橋HAの特性
    2-4-1 固体13C-NMR特性
    2-4-2 レオロジー分析
    2-4-3 吸水力測定
    2-4-4 架橋HAのin vitroにおける生体安定性評価
      2-4-4-1 ヒアルロニダーゼに対する抵抗力
      2-4-4-2 遊離基に対する抵抗力
3. 結果と考察
  3-1 2重架橋HAの合成
  3-2 架橋されたHAの吸水率WAC%
  3-3 レオロジー試験
    3-3-1 粘性のずり[剪断]速度依存(η,Pa)
    3-3-2 剛性率(G' and G'', Pa)
  3-4 In vitro生体安定性試験
  3-5 架橋HAの固体13C-NMR特性
4 結論
         
 
1.はじめに